Reading, Writing And Arithmetic

44歳男性。娘(R)は大学4年。

突然の痙攣

昨夜よりRの発熱があったのだが,夜中に気付けば火照りは凄いことになっており,頓服薬は飲ませたのだがいっこうに改善されずに夜が明けた。ちょっとの発熱じゃいつもケロッとしているRも,さすがに40度近いとなるとグッタリしていて,切なげな表情をしている。
昼ご飯(うどん)やプーさんのマスクなどを買いにスーパーまでドライブ中に,CDデッキからDCPRGの「ミラーボール」が流れてきて,ああ,この曲を保育園に送る時に流すとRはホーンの音を真似て「テッテッテレッテーレッ テッテッテレッテーレッ」と口ずさんでいたな,と不思議に懐かしい思いがした。
帰宅後家内が得意のうどんを作っている間,僕は2階のRの眠っている寝室で福田和也の「悪の恋愛術」を読みながら,時折Rの様子を確認していた。Rに背を向けて窓際からレース越しに入ってくる日の光で読んでいると,突然後ろからガサガサ音がしてきた。12時15分。
Rが起きたのかなと振り返ると,衝撃の光景が目に入った。
Rはうつぶせのまま目を見開いてこちらを見ながら,バタフライのように手足をばたばたさせていた。一目で尋常ではないことが起きていることを理解したが、僕は奇妙な冷静さを保つことが出来ていた。とは言え態度とは裏腹に僕はかなり腰が抜けてしまっていた。すぐにへっぴり腰でRのそばに行ってやり,「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」と声をかけてやったのだが,どうやら意識を持っていないようで,視線が定まらずにずっとガクガクしていた。「ママー!ママー!」と,そろそろ料理が完成しているであろう家内を大声で呼んで,状況を説明。家内はすぐに電話に向かった。
痙攣が始まってから30秒くらい経った頃,ようやくRの動きも落ち着き,硬直していた手足も徐々にほぐれてきているのがわかった。ただ,まだ胃腸の辺りが波打っているので,すぐに抱っこしてやり,「もし吐きたかったらいっぱい吐いてもいいよ。」と声をかけたのだけど,Rの反応は無かったので聞こえていたかどうかはわからないが,しばらくするともよおして,フローリングを汚した。
家内の所に行くと,休日診療所に電話をしていた。昨年入院した救急病院には,当直の小児科医がいないと,すでに断られた旨を説明していた。声が震えてかすれていたので,家内が少し泣いていることがわかった。午後の診察は1時からであると言われたようだが,消極的な家内にしては珍しく,すぐに診てもらえないかと食い下がり,その甲斐あってすぐに出かけられた。
車を出す頃にはRの意識も戻り,こちらの問いかけにも反応するようになった。何でも良いので声をかけながら急いで診療所に向かい,先生にひきつけを起こした旨を伝えて診察を受け,インフルエンザA型であることがわかった。今週は安静。入園式もおあずけになってしまったが,命の危険まで感じた今日の出来事に比べれば取るに足らないことだ。


帰宅すると作りかけのうどんは,汁が無くなり,のびまくっていた。