Reading, Writing And Arithmetic

44歳男性。娘(R)は大学4年。

親子のようなこと

気付いたら一年間この日記を放置していた。
この4月に単身赴任を終えた僕は自宅に戻り、高校への車での送迎や様々な学校行事への参加などできるようになった。とは言え、小学生や園児の頃にここで書いていたような「緩く」「心踊る」「微笑ましい」エピソードが生まれてくる訳ではなく、ただ日常としてRは部活と勉強に励みながら夜中に友達とLINE電話で話し、僕は多忙な仕事に巻き込まれながら消防団活動やオンラインサロンに関わり、家内は毎日のように好きなアイドルの曲を歌い、彼の名前をつぶやいている(ヘンデルメサイアしか聴かなかった家内が、だ)。各々変化はあったが、それは家族の日常をそれぞれが過干渉せずに淡々と行なっている。

昨晩、勤務先を出る際にスマホを見ると、RからのLINEが入っていた。「熱が出たので、ヨーグルトとアクエリアス龍角散とマスクを買ってきてほしい」とのヘルプメッセージ。
全てを揃えて帰宅すると、Rは39度ほどの高熱にうなされていた。高校2年ともなれば大人と同じなので、特段心配するほどのことではないので、買ってきた物を渡すとRは「ありがとう」と言ってアクエリアスを飲み、そのまま眠った。

今朝、僕が(この時期に恒例となっている)朝の消防団活動を終えて帰宅すると、Rの熱は全く引いておらず、結果的に僕が休みを取り看病することになった。家でも仕事ができるようにと、朝一で職場に置いてある資料を取りに行きすぐに帰宅(ちなみに車で片道30分)。その足でRを内科に連れて行くと、点滴治療を受けながら数種の検査を行なった。Rの点滴治療中に、僕は昼食の買い出しをして帰宅→下ごしらえをし、医院に戻ると、普通の風邪と所見するので普通の薬を処方すること、くるぶしから膝にかけての慢性的な赤いむくみが気になること、白血球の数値が高いことが告げられた。
帰宅後に、うどんを完成させてRと二人で食べ、ようやく今から仕事に取り掛かるところである。久しぶりに親子のようなことをしている日だと思った。

Rが家にいるのは残り2年もない。もしかしたらこんな日はもう来ないかもしれない。

部活動やあれこれ

Rは男子バスケットボールのマネージャーになった。選手ではなくマネージャーとは意外と思ったが、本人が好きで決めたことなので構わない。
今月から制服も夏服に替わり新たなフェーズに突入した。僕は単身赴任の身であるため、未だ夏服姿を見ていない。
もっぱらの懸案は、文理選択をもう直ぐにでもしなければならないらしいことだ。Rは特別秀でて得意な科目はなく、かと言って勉強が嫌いなわけでもない。それなりに勉強時間は取ってやっているようだ。志望大学は僕と同じ学校を目指すらしい。
個人的には文系科目では何をやっても未来の不測の事態を担保できない(いや、強いて言えば倫理を勉強することは役に立つと思われる)と思っているため、理系を強く勧めているのだが、Rは割りと意見を取り入れてくれて理系に進むようだ。僕の言うことは素直に信じている。

入学前の課題図書

この中から3冊とのことである。
娘が選べるはずもなく、かと言って正直に告白できないほど自分自身の浅学さを恥じるばかりであるが、私の知っている中からフランクル梶井基次郎、あとは知らないけれどkindleで買えた三木清を選んであげた(いや、檸檬は短編ゆえ、逃げだと思うのだけれど)。
あとはここには無いけれど、落合陽一を読むように伝えた。目標の無い彼女には必要な本だと思った。

卒業

Rは中学を卒業した。単身赴任先から1日だけ休みを取って中学校に向かうと、体育館の後方を各生徒の父母達の姿が埋め尽くしていた。中学校ともなると通常行事に参加するのは片方だけだったり、どちらも出てこなかったりするため、初めて見る顔も多く、その点僕はPTA副会長であったためそれなりに参加した方ではあったこともあり、それなりに感慨に耽りながら来賓席に座った。式は順調に進み、クラスに戻ってからの生徒が担任を泣かせるイベント(僕も泣いた)、夕方からは謝恩会と様々なことを考えながら過ごす1日となった。
思い返えせばRは、部活動と習い事と遊んでばかりいて、勉強はたまに手をつけているようであるが、それなりに前もって終わらせるタイプなので、僕は一度も勉強しなさいと言ったことがない。主体性がなく将来の夢もない様子ではあるが、それは高校に入ってから決めれば良いと思うし、もはや親の出番ではない。
謝恩会も中締めが終わった頃、僕はいい感じに酔っ払っていた。
するとどこかで見覚えのある髭を生やした男が近づいてきた。僕ははじめわからなかったのだが、彼は少し前まで仕事でお付き合いのある方だった。その日、謝恩会場では別の中学校の謝恩会もやっていた(市内の中学校の卒業式は同日に行われる)ので、「えー、○○さん、□□中学校ですか!?いやー、うちの娘は△△中学校で今年卒業なんですよー、こんなところで奇遇ですね!」と話したところ、彼は自身の右胸を指差し、その指の先には謝恩会が始まる際に支給された僕のと同じ形のネームプレートが付いていて、「うちは1組」と言った。ということは、僕が卒業式で来賓席から偉そうに「卒業生の皆さん、おめでとうございます」と言ったり、謝恩会では校長のいるテーブルに座り学校関係者と偉そうに懇談している様子をずっと見られていたということ(彼は僕より、10は年上であろう)。僕はその場に膝から崩れ落ちた。
僕「・・・いつから・・・知っていたんですか・・・?」
彼「去年から知っていたよー」
僕「わたし、副会長やっているんです・・・」
彼「知ってたよー」
僕「・・・そうですか、ははは、そうですよね・・・ははは」
後味の悪さを引きずりながら僕は、二次会へと流れていった。

クリスマスプレゼント

日記の更新を怠っている間に、いつの間にか僕は単身赴任となり家庭環境は一変していた。そのため、今年のクリスマス事情は昨年までと異なるかと思ったが、曜日の妙と言うべきだろうか、結果今年もわが家には、クリスマスイブの夜にサンタクロースが来てくれた。

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Rには、DISH//と超特急のCDとシャープペンシル2本、腕時計の3点セット。腕時計はRの希望ではないが、数ヶ月後に控えている高校受験に必要だろう、とのサンタの思いやりが慮られる。


家内には、クッキー詰め合わせ(画像省略)。

僕には、サンタからの謎のメールが届いていた。

Famiポートで番号を入力してみると、新年早々に幕張で開催されるelectrox 2017のチケットだった!これは観に行きたかったイベントで、踊ってくるよ!!楽しみだ!!!

フジロックに行ってきた

Rの部活動も終わり、部活ロス状態も一区切りついた頃、夏休みが始まった。そして夏休みの開始がフジロックに重なっていることに気がついた。Rはダンスロックバンドと称するグループが好きで、コンサートに3度行っているが、フェスには連れて行ったことがない。10年前にこんなことを感じ、9年前にこんなこと(「Rは中学生くらいになってから連れて行ってあげたい。」と言っている!!)を記しているので、ようやくと思っていたのだが、ここ2年間は部活三昧でそれどころではなかった。ようやく連れて行くことができ、僕としては感無量である。
狼のバンド出るよー、狼のバンド出るよー、という具合にダフ屋の口調で口説き落とし、連れて行ったのだが、結果的に非常に満足した様子だった。Beckのステージも「かっこいい」と僕に耳打ちしながら、拳を上げて拍手を送っており、僕としては(あえてもう一度言うが)感無量である。


一応こちらは何回も参加しているので、持ち物や服装などは指南し、1日だけの参加なので実用ではなく、なるべくおしゃれ方向に寄せた。


スケジュールはほぼ僕が決めたのだが、Rはタイムテーブルを見ながら「私、この人見たい」と単独行動をやり遂げ(しかもRは携帯電話を持っていないため、約束通りにことが進まなければ相当面倒なことになるかもしれないにも関わらず、ですよ)、また天候にも恵まれ、フェスデビューとしては良い結果となった。


誤算だったのは、ガウチョに近い幅広のパンツ。
簡易トイレは和式と洋式があるのだが、待つための行列に並び、空いたらそこに入るため、自主的な選択は不可能。Rはほぼ毎回、和式に当たってしまったらしく、大変な難儀をしたとのことだった。そこは男性の僕には気づかない反省点だった。

残り1週間

来週末に地区の大会があり、3年のRにとっては最後の大会になる。
「は?バレー部って、小学校の時にやってなかったのに?テニス部とか吹奏楽にしたら?」という僕の助言を聞き入れず「友達が入るから」という理由だけで始めたのが2年と少し前だったが、「あ」という間にもう最後の試合になってしまった。顧問曰く「Rは入部の頃、一人でトス練習させると、コントロールが定まらずにどんどん体育館の入り口の方に行ってしまって『おいおい帰るの?』ってレベルで、本当にこの子大丈夫か?と思っていたけどな。」だったRも今や、割りとサーブが得意なようで、なぜかレギュラーとして出場してチームに貢献している(やばい、これ今ドトールで書いているけど、目頭が熱くなってきた・苦笑)。
背は低い方だが、とっくに家内を追い抜いたので良かったと思う。と言うか、それだけでも今後のRにとっては良かったことだと思う。女性の平均身長は160cm弱らしく、少なくともそこまで伸びてほしいし、僕の理想の女性の身長は160台後半なので、ぜひこれからもRには頑張って(?)ほしい。